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要介護者だけではなく一緒に暮らす家族にとっても安全でラクな家。
体の機能が劣えたお年寄りや、体に障がいをもつ人にとって、家のなかのちょっとした段差がケガの原因になったり、辛い階段の昇り降りが行動範囲を狭くします。そこで、これらを解消し、安全に快適に動けるよう段差をなくし、手すりを設けるのがバリアフリーリフォームです。このバリアフリーに加え、浴室やトイレに自力で行けるよう、また介助される方の負担が軽減できるように、寝室に隣接させることや、補助となる手すりを設置すること、また廊下・出入り口に充分なスペースを確保することなどが基本的な介護リフォームになります。
まずはバリアフリーから考える。今だけでなく、将来を考えてリフォームする。
「70代をすぎてからのリフォームは精神的にも体力的にも大変です。バリアフリーにして困ることは何もないですから、工事をするなら早い時期がおすすめ」。現在の住まいの安全性や快適性をチェックして、リフォームの必要性に応じてバリアフリー・福祉住宅についても考えてましょう。
・リフォーム費用 参考例
施工方法で費用は大きく違うAさんの例(2階建て木造住宅、築20年)
目的は同じでも、どんな材料を使いどう工事するかで費用は違ってきます。たとえば床の段差を解消する場合、床を解体して全体をフラットにする方法もあれば、スロープを取り付ける方法もあり、予算に合わせたさまざまな工夫が可能です。
ここでご紹介する金額は2階建て木造住宅、築20年のAさんの家をリフォームした時の、商品価格と取り付け工事費です。費用は建物の状況で変わります。
・ドアを引き戸に変更 11万円
バリアフリー仕様の扉と扉枠のセットが約8万円。取り付け費3万円。
・玄関の段差解消 6万円
スロープ代金と取り付け調整費の合計金額。幅900mm・長さ900mm、高さを調整できるスロープは、骨組みにスチールを使った頑丈なもの。
・トイレに手すりを設置 3万円
長さ600mmの木製の手すりを設置。手すり本体6000円と取り付け費、下地補強費が2万4000円。
・押入れをトイレに改装 55万円
建具変更と便器設置、照明・換気扇取り付けが約40万円。内装変更と給排水管工事が約15万円。押入れの位置によって給排水管工事費は大きく違ってくる。 湿度と結露、そして安全対策に配慮が必要
場所別プランニングのポイント
安全性、暮らしやすさの他に人が訪ねやすいことも大切です。
バリアフリーリフォームは、そこで暮らす人の状態に合わせて行うのが大切。さらに忘れてはいけないのが、人が訪ねやすい家にすること。 たとえば、敷地と道路の境にお年寄りが昇り降りしにくい段差があれば外出しにくいだけでなく、同年代の友人が訪ねて来れなくなり、世間から隔絶された暮らしになってしまいます。さらに玄関に腰掛けがあると便利です。
ここでは、多くのケースに対応できるプランのポイントをまとめてみました。
トイレ
車椅子で入れることと介助される方のスペースを確保することなどを考え、便器前または横にスペースを設けます。立ち座り補助の手すりはもちろん、ドアも引戸がベストです。
手すり
階段の手すりは両側設置が理想ですが、片側にしかつけられない場合は、降りるときの利き手側に設置しましょう。今は不要でも廊下やトイレ、浴室などは壁を補強しておくと手すりの設置が後で簡単になります。
出入口
開閉時に体の移動が少ない引き戸が楽です。取っ手はにぎりやすい棒状のものが良いようでしょう。開き戸では丸いノブよりもレバーハンドルの方が力が少なくてすみます。
浴室
1坪あれば介助スペースもとれます。ユニットバスなら「滑りにくい床」「浴室またぎ高さ」「出入りの楽な引戸」「入浴補助の手すり」などが設定されているものを選びましょう。
段差
家の中やアプローチから玄関までの段差はできるだけなくしたいもの。どうしても解消できない場合は床の仕上げ材を滑りにくい素材に変え、照明で明るくして見やすくすることがポイントです。
階段廊下
廊下は幅が85cmあれば車椅子で直進が可能。階段はできるだけ緩やかで、曲がっている部分に段差のない踊り場をとるのがおすすめです。
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